食欲コントロールを乱す5つの原因

食欲のコントロールに限らず、何かしら問題を解決するためには、問題を引き起こしている原因を解消しなければいけません。そのため、食欲をコントロールするためには、まずは食欲を乱している原因を突き止めることが必須です。

食欲のコントロールを乱す原因は、主に「食事」「睡眠」「ストレス」「腸内環境」「習慣」の5つになります。

そこで今回は、「食欲のコントロールを乱す5つの原因」について解説します。

食事が食欲コントロールを乱す

ダイエット中の人には、食事が原因で食欲が乱れている人がたくさんいます。特に、「カロリー不足」「栄養不足」「食事のバランス」「依存性が強い食品の摂取」の4つは、食欲を乱す原因となります。

カロリー不足

食欲が乱れてしまう原因で最も多いのが「カロリー不足」になります。「低カロリーなものばかりを食べたり、食事量が少なかったりすることで十分なカロリーが得られていない」ということです。

当然ですが、カロリーが少なければその分だけお腹が空きます。

カロリーとは、エネルギーの単位になります。食事から摂るカロリーが不足すると、体内で十分なエネルギーが作り出せずにエネルギー不足を招きます。

エネルギー不足は体にとって危機的な状況です。脳であっても心臓であっても筋肉であっても、細胞はエネルギーがあって、初めて活動できるためです。既に述べたように、エネルギーがゼロになれば生命を維持できなくなります。

そのため、カロリーが不足すると、「エネルギー不足が足りないから、もっと食べろ!」という危険信号として、食欲が強くなるのです。

中には「私はたくさん食べている」という人もいるでしょう。しかし、そうした人に限って、低カロリー食品や低糖質食品などをたくさん食べています。また、野菜やおからなどをたくさん食べて、お腹を膨らませている人も多いです。

これらの食べ物は、カロリーが少なくエネルギー源にならないため、どれだけ食べてもカロリー不足を招いてしまいます

このような低カロリー食を続けていて、食欲が乱れているのであれば、まずは食事で十分にカロリーを摂取しているかを確認しましょう。おおよそですが、食事だけの総摂取カロリー量を計算してみて、1500キロカロリーを下回っているのであれば、食事量が少ない可能性が高いと考えてください。

(もちろん、1500キロカロリーに満たなくても十分な方もいます)

年齢や性別、活動量によって異なりますが、成人女性であれば1500、男性であれば2000以下はカロリーが足りていない可能性が高いでしょう。

栄養不足

いくらカロリーが十分であっても、栄養が不足していると食欲は乱れてしまいます。栄養が不足することによって、食べ物から体の機能を維持するためのエネルギー(カロリー)を生み出せないためです。

中でも、「糖質」「ビタミン」「ミネラル」不足は、食欲を乱す原因となります。

 ・糖質不足

例えば、糖質制限が流行ってから、極端に糖質(炭水化物)の摂取量を減らしている人が多いです。

確かに、現代人の多くは糖質を摂りすぎています。特に頻繁に外食をするケースでは、体が処理できる糖質量を超えてしまいやすくなります。お店で定食を頼むとおいしいお米が茶碗一杯に盛って出てきますし、レストランでのコース料理ではデザートまで食べると、かなりの糖質量になります。

もちろん、自炊している場合でも、3食しっかりと主食を取った上に、間食で甘いものを頻繁に食べれば、それは糖質の摂りすぎです。

ここまでの糖質量を摂っているなら、糖質制限が体重を落とすために有効になります。ただ、ダイエット目的に糖質制限をしている人には、糖質を減らしすぎている人が多いのです。

例えば、あるパーソナルトレーニングジムでは、1日糖質50g以下が推奨されています。これは一般的な日本人における糖質摂取量の1/5以下です。実際に糖質の摂取量を減らすと体重は一気に落ちます。

しかし、糖質の摂取量を極端に減らしてしまうと、エネルギー不足となる可能性があるのです。

糖質制限を推奨する人たちの主張に「糖質を摂らなくても脂質やたんぱく質を十分に摂れば、エネルギー不足にはならない」というものがあります。確かに、体には脂質やたんぱく質を元にエネルギーを作り出す仕組みが備わっています。そのため、ほとんど糖質を摂らなくても問題ない人がいるのも事実です。

ただ、中には脂質やたんぱく質からだけでは十分なエネルギーを作り出せない人もいるのです。特に女性には、その傾向が強く見られます。

そのような状態で、糖質の摂取量を極端に減らしてしまうと、カロリー不足と同じようにエネルギー不足を招いて体がSOSを出し、食欲が強まってしまうのです。

私がこれまでに経験した中でも、糖質制限中の「ナッツ」の過剰摂取は体における糖質量不足のサインの一つだといえます。

糖質制限でも、ナッツは間食として推奨されています。ただ、ナッツは一見糖質含有量が少ないように思われますが、想像以上に糖質が含まれています。糖質制限をしていて、いつもナッツを欲しているような状態であれば、体がエネルギー不足によってナッツの糖質を求めていると考えて良いでしょう。

このように、極端な糖質制限は、エネルギー不足を招いて食欲を強めることにつながります。

 ・ビタミン、ミネラル不足

また他にも、ビタミンやミネラルなどの「微量栄養素」が足りなくなると、エネルギー不足を起こすことになります。

例えば、糖質や脂質からエネルギーを作り出すためには、鉄というミネラルが必須です。エネルギーを作り出すときに、鉄が関わっているためです。

そのため、鉄分が不足すると、いくらカロリーや糖質の摂取量が十分であっても、体内で十分なエネルギーが作られません。

特に女性は、生理による出血があるため、鉄が不足しやすくなります。血液検査で貧血を指摘されているのであればもちろんのこと、そうでなくても生理前や生理中、出産後(出産すると一気に鉄が喪失される)に過度に甘いものを欲するのであれば、鉄不足である可能性が高いと考えてください。

他にも、ビタミンB群やマグネシウム、亜鉛など、さまざまな栄養素がエネルギー産生に関わっています。

こうした栄養素が不足することでも、エネルギー不足による食欲の乱れを招くことになります。

食事のバランス

栄養バランスだけではなく、朝昼夜の食事バランスが崩れているために、食欲が乱れている人もいます

例えば、朝や昼が少なすぎると、夜に食べ過ぎてしまったり、夕食の満足感が少なく夕食後にダラダラ食べてしまったりしがちです。また、朝を抜いている人の中には、昼食でガッツリ食べてしまったり、昼食後にお菓子を食べ過ぎたりする人が多いです。

このように、食事量や栄養に問題がなくても、3食のバランスが崩れていると食欲が乱れやすくなります。

依存性が強い食品の摂取

さらに、食べ物の中には「依存性」が強い食品があります。

依存性とは、ギャンブルやアルコール、タバコのように「止めたくても止められない」という性質です。ギャンブルなどと同じように、食べ物にも依存しやすい食べ物があります。

例えば、依存しやすい成分として「脂肪」「砂糖(糖分)」「塩」の3つが挙げられます。これら3つの成分は、脳の「報酬系」と呼ばれる部位を刺激して依存性を強めます。それぞれの成分単体では依存性は強まりませんが、脂肪、砂糖、塩の3つが組み合わさると、依存性が強くなるのです

ラベルを確認するとわかりますが、市販のお菓子や加工食品、調味料のほとんどに、脂肪と砂糖、塩の3つが入っています

また食品においても、ハンバーガーなどは、依存性を強める成分を上手く組み合わせたものです。バンズの主成分は小麦粉(糖分)であり、砂糖と塩、植物性油が混ぜられています。これだけでも、依存性を強める成分すべてが入っています。

さらに、バンズに挟まれたお肉にも、パン粉(糖分)や脂肪(牛脂など)、塩、ソースには植物性油や砂糖、塩が入っています。そして、チーズをトッピングすれば、脂肪と塩が追加されるのです。

こうした脂肪と砂糖、塩を使って作られた食品は、人間の脳を刺激して依存性を生み出し、食欲を乱すことにつながります。

そのため、市販のお菓子や加工食品、ハンバーガーなどを日常的に食べていると、依存によって食欲が乱されてしまうのです。

睡眠不足が食欲を乱す

睡眠不足はホルモンバランスを崩すことで食欲を強めます。睡眠時間が7時間に満たなかったり、日中に眠気を感じたりする場合は、睡眠不足が原因で食欲が乱れている可能性が高いです。

ストレスが食欲を乱す

ストレスは血糖値を下げたり、自律神経やホルモンのバランスを崩したりすることで食欲を強めます。慢性的なストレスがある場合はもちろんのこと、一時的なストレスでも食欲が強まるので注意が必要です。

ストレスと同じように、不安や焦りなど、精神的な不安定性も、食欲を強めることになります。

腸内環境が食欲を乱す

腸内環境の乱れも、食欲を乱す大きな原因となります。腸内環境が悪くなると、腸で作られる食欲を落ち着かせる物質が少なくなってしまうためです。

例えば、「セロトニン」は、腸内で作られるホルモンの一つになります。セロトニンには、気持ちを安定させることで食欲を落ち着かせる働きがあります。そのため、腸内環境が乱れてセロトニンが不足してしまうと、食欲が乱れてしまうのです。

他にも、腸では「CCK」「PYY」という食欲をコントロールしているホルモンが作られます。腸内環境の悪化でCCK、PYYの産生量が少なくなると、食欲が増します。

このように、腸内環境の乱れは食欲コントロールを乱すことにつながるのです。

習慣が食欲を乱す

食事や睡眠、ストレスに問題がないのに食欲が落ち着かない人は、食べることが習慣化してしまっている可能性もあります。

例えば、「買い物でいつもお菓子を買っている」「夕食後にいつも何かをつまんでいる」「夜テレビを見ながら必ず何かを食べている」という状況であれば、食べる習慣が付いてしまっています。

「買い物」や「夕食」「テレビを見る」という行動がスイッチとなって、食べてしまうのです。

習慣化は意外と見落とされやすい、食べ過ぎてしまう原因の一つです。例えば、寝る前に歯を磨くなど、意識しなくても体が勝手に行っている行動はいくつかあります。このような長年の習慣は、なかなか気づいても変えることができません。ただ、逆を言えば、悪い習慣を変えれば、良い習慣を苦にせず続けることできるようになるということです。

こうした習慣による食べ過ぎは、心理的なテクニックが有効になります。

*心理的なテクニックに関しては、「食欲を劇的に落ち着かせる4ステップ」を参考にしてください。

まとめ

今回述べたように、食欲を乱す原因は主に「食事」「睡眠」「ストレス」「腸内環境」「習慣」の5つになります。

もしあなたが「痩せたいのに食べ過ぎてしまう」という状況であれば、まずは何が原因かを考えることが大切です。その上で、あなたに合った対処法を実践するようにしましょう。