痩せるために食欲のコントロールが大切である理由

ダイエットが上手くいかない理由の一つとして、「食欲コントロールを無視している」ということが挙げられます。食欲が乱れていれば、食事制限が難しいのはもちろんのこと、痩せた後に反動で食べ過ぎてリバウンドしてしまうためです。

どのようなダイエット方法であっても、食欲のコントロールを無視していては、失敗することになります。

そこで今回は、「なぜ食欲のコントロールが大切であるのか?」について詳しく解説していきます。

ダイエットの多くは食欲のコントロールを無視している

あなたは、これまでたくさんのダイエット方法を試してきたことでしょう。

食事内容を工夫するものもあれば、特定の運動を推奨するダイエットもあったはずです。ただ、「食欲のコントロールを重視したダイエット方法」はなかったのではないでしょうか?

食欲のコントロールが乱れたままだと、間違いなくダイエットは失敗します。ダイエット中に食欲を我慢して体重が減っても、必ずいつか限界がきて食べ過ぎてしまうためです。

例えば、頑張って2ヶ月間パーソナルトレーニングに通って、食事制限と運動で10キロ痩せたとします。ただ、パーソナルトレーニングでは食欲のコントロールではなく、食べたい気持ちを我慢する食事制限をしました。

ダイエット食欲我慢

2ヶ月はお金も払っている上に、「絶対に痩せる」という強い気持ちがあるため、指示されたとおりに食事が制限できるでしょう。ただ、2ヶ月のサポート期間が終わったらどうでしょうか?

トレーナーからの監視がなくなり、「2ヶ月頑張ったしちょっとくらいいいか……」と思って少し食べると、止まらなくなって食べ過ぎてしまうのです。

ダイエット食べ過ぎ
反動で食べ過ぎる

はっきり言って、食欲のコントロールを無視したダイエットは無謀です。特に、食欲が強く食べ過ぎている状態から、無理に我慢する食事制限を始めると反動が強くなります。ただ、ほとんどのダイエット方法は食欲のコントロールを無視して、食事制限や運動で痩せさせます。

その結果、一時的に痩せたとしても、必ずといっていいほど反動でリバウンドしてしまいます。そして、永遠とダイエットを繰り返すことになるのです。これが、大半の人がダイエットから抜け出せない理由です。

あなたも、数ヶ月単位で考えると痩せた経験はあるかもしれませんが、今も体重や食べ物のことを考えているのではないでしょうか? それはこれまで食欲のコントロールを無視したダイエットをしてきたからです。

こうしたダイエットの悪循環から抜け出すためには、食欲のコントロールを身に付けることが必要不可欠になります。

それでは、「食欲のコントロールが乱れている」とはどのような状態なのでしょうか?

食欲のコントロールが乱れている状態とは?

食欲のコントロールが乱れているとは、「必要以上に食べ過ぎてしまう」という状態です。

食欲がコントロールされていれば、体に必要な分だけ食欲が沸きます。逆に、必要以上に食べてしまった場合には、食欲が落ちます。

体は動くためにエネルギーが必要です。エネルギーを作るためには、エネルギー源である食べ物がなければいけません。ここでいう「必要な分」とは、「体が動くためのエネルギーを作りだす(生きる)のに必要な食べ物の量」と考えてください。

例えば、仕事が忙しくて、朝食と昼食を食べなかったとします。そうすると、遅くても昼過ぎにはお腹が空いてきます。

これは、昨日の夕食から体にエネルギー源が補給されていないことで、活動に必要なエネルギーが不足しているために起こる食欲です。体がエネルギー不足を感じて「エネルギー源(食べ物)を補給しろ」という指令を、食欲として発しているのです。

エネルギー不足食べる

逆に、お祝い事などで食べ過ぎた翌日の朝には、食欲が沸かないことが多いのではないでしょうか。

これは、食べ過ぎてエネルギー源が余っているため、体が「これ以上エネルギー源は要らない」と判断して、食欲を落としているのです。

食べすぎ食欲不振

食欲のコントロールが乱れていると、こうした当たり前の現象が起こらなくなります。しかも、これまで無理な食事制限をしていれば、ちょっとした食欲が我慢できなくなったり、頭では太るとわかっているのに衝動的に食べ過ぎてしまったりするのです。

例えば、あなたが太らないように、アイスを我慢して食べていないとします。そして、頭では「アイスは食べ過ぎない方が良い」と理解しているにも関わらず、「我慢できずにアイスを一気に2つも3つも食べてしまった」というのは、食欲コントロールが乱れているといえます。

食欲が乱れていなければ、アイスを食べても1つで済むはずです。

他にも、普段スナック菓子を我慢しているにも関わらず「お土産でスナック菓子をもらって食べたら、その帰りにコンビニに寄って大量のスナック菓子を買って食べてしまった」というのも、食欲コントロールができていない状態だといえます。

簡単にいうと、

・食事もしっかり食べているのにお菓子も毎日食べてしまう

・食べない方が良いと頭ではわかっているけど、冷静な判断ができずに食べてしまう

・何かのきっかけで糸が切れたように食べ過ぎてしまう

・「美味しいから食べる」というより、「味がわからなくなっているのに詰め込んでいる」

という状態は、食欲コントロールが乱れているといえます。

こうした状況であれば、いくら食事制限や運動で痩せようとしても無理です。もし食事制限や運動で一時的に体重が減ったとしても、必ず我慢の限界がきて食べ過ぎてしまい、確実にリバウンドします。

そのため、痩せるためには「食欲のコントロールが整っていること」が大前提となります。

それでは、食欲のコントロールが整っているとはどのような状態なのでしょうか?

食欲のコントロールが整っている状態とは?

食欲のコントロールが整っているとは、「衝動的に、また必要以上に食べ過ぎない状態」といえます。

既に述べたように、体は生きるために必要な分のエネルギーが確保されるように食欲を調整しています。そのため、食欲がコントロールされていれば、活動に必要な分のエネルギー源が補給されたら、自然と食欲が落ち着きます。

例えば、食事を腹八分目で止められたり、おやつにお菓子を食べたとしても、少量で満足して終われたりするのは、食欲がコントロールできています。他にも、夕食後に口寂しくて果物をつまんだとします。そのときに、食欲がコントロールされていれば、1口や一つで満足します。

食欲のコントロールが整っていれば、食事も腹八分で満足できますし、ちょっとのお菓子や果物が引き金になって、必要以上に食べ過ぎてしまうことはないのです。

このように、食欲のコントロールが整っていると「食べ過ぎないように我慢しなければ」と、わざわざ意識しなくても、自然と食べ過ぎてしまうことがなくなります。

食欲は意識してコントロールできない

食欲コントロールの大切さを理解するためには「食欲は意識してコントロールできない」ということを知っておく必要があります。

あなたは、「ご飯の時間だからお腹を空かせよう」と考えて、食欲を起こしていませんよね? そうではなく、食事から時間が経つと、何もしていなくても、自然と「お腹が空いた」となるはずです。

逆も同じであり、朝から夕方まで何も食べていないのに「お腹いっぱい」と意識しても食欲が落ち着くことはありません。食事を2食も抜いたら、どれだけ我慢しようと頑張っても、空腹感がおさまることはないはずです。

これは、食欲が意識的にコントロールできない「血糖値」や「ホルモン」によってコントロールされているためです。

血糖値やホルモンの分泌を意図的にコントロールできないことは、想像に難しくないと思います。そう考えると、食欲を無理やり我慢することが、どれほど無謀なことであるかが理解できるのではないでしょうか?

血糖値が食欲に与える影響

食後の満足感や1日の食欲の変動には、血糖値が大きく影響しています。血糖値とは、「血液中にどれくらい糖分が存在しているか?」を示す値です。糖分は体のエネルギー源であるため、血糖値が低いということは、十分にエネルギーを作り出せない状態だといえます。

脳は、こうした血糖値の変動を監視しており、血糖値が下がったときには「エネルギーが不足しているから食べろ」、血糖値が上がったときには「エネルギーは足りているから食べなくていい」という指令を出します。

数時間食べないとお腹が空いてくるのは、血糖値が下がっていることが一つの原因です。

このように、短期的な食欲の変化には、血糖値が影響しています。

食欲をコントロールしている2つのホルモン

他にも、食欲は「レプチン」「グレリン」と呼ばれる2つのホルモンによって調整されています。

例えば、あなたが食べ過ぎて太ったとしましょう。そうすると、脂肪細胞からレプチンが分泌されます。レプチンは脳に「食べすぎでエネルギーが余っている」という情報を伝えて、食欲を落ち着かせます。

逆に前日から何も食べていないと、胃でグレリンが作られます。レプチンとは対象的に、グレリンは脳に「胃が空っぽでエネルギーが不足している」という情報を伝えて、食欲を強めるのです。

このように、食欲は血糖値やホルモンによって、エネルギーの過不足が起こらないように食欲をコントロールされています。

睡眠不足で食欲が増す理由

あなたは「寝不足の翌日にお腹が空きやすい」と感じたことはないでしょうか?

実は、睡眠時間が短くなるとホルモンバランスが崩れてしまい、お腹が空きやすくなってしまうのです。

具体的には、睡眠時間が短くなると、食欲を落ち着かせるレプチンの分泌が減ります。その一方で、グレリンは多く作られてしまうため、お腹が空くのです。空腹を抑えるホルモンが少なくなり、空腹を強めるホルモンが多くなるため、食欲が増します。

このように、睡眠不足はあなたの食欲を乱して食べすぎを招きます。

もし「食べ過ぎてしまう日とそうでない日がある」と感じているのであれば、ぜひ食欲が強くなった前日の睡眠時間や睡眠の質を意識してみてください。

睡眠時間が短い翌日に食べ過ぎてしまうのであれば、あなたの食欲を乱している原因は睡眠にあるかもしれません。

ストレスで食欲が増す理由

睡眠と同じように、ストレスが強くなると食欲が乱れます。これには、血糖値と自律神経の2つが影響しています。

ストレスがかかると、体では通常以上にエネルギーが消耗されることになります。そのため、血液中にあるエネルギー源である糖分がどんどん使われてしまいます(血糖値が下がりやすくなります)。

既に述べたように、血液中の糖分量が少なくなると、体はエネルギー不足と判断して「もっとエネルギー源となる食べ物を取り入れろ」という指令を出します。その結果、食欲が強まるのです。

また、ストレスは自律神経を乱すことでも食欲を強めます。

自律神経は、体を緊張させる「交感神経」と、体をリラックスさせる「副交感神経」の2つから構成されています。ストレスが加わると、交感神経の働きが強くなって、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

「食べる」という行為は、副交感神経の活動を高めます。胃腸は副交感神経によって支配されているため、食べて胃腸が刺激されると副交感神経が活性化されるのです。

ストレスで交感神経の活動が強くなると、食べ物を食べることで胃腸を刺激して、副交感神経の活動を高めて自律神経のバランスを整えようとします。その結果として、食欲が強くなるのです。

他にも、ストレスは脳の幸福感を下げます。幸福感を高める「セロトニン」と呼ばれるホルモンの分泌を悪くするためです。しかし、脳は常に幸福感を求めています。そこで、脳に幸福感を与える「食べる」という行為で代償しようとして、食欲を強めるのです。

このように、ストレスは食欲を強める原因となります。

まとめ

以上に述べたように、食欲を無視したダイエットは、短期間で体重が減ってもリバウンドを招くことになります。また、食欲は無意識下でコントロールされているため、我慢することは非現実的です。

こうしたことから、食欲を乱す原因を見つけて解消することで、自然と食欲が整う状態を作ることが、ダイエットの成功には欠かせないといえます。

ぜひ食欲のコントロールについて学んで実践し、ダイエットを成功させるようにしてください。